TRDエアロパーツデザインと空力開発の取組み



―先進的なデザインと空力性能の両立―

モータースポーツのフィールドで培った技術を基にエンジニアがCFD解析を行いました。

空気の流れを整えることで、ダウンフォースの増加と直進安定性の向上を実現しました。

エアロパーツのデザインスケッチの一例

企画初期のデザインスケッチ サイド・リヤからのシルエットをデザイナーが模索しています。
モデリングをする際にはGTマシンの開発チームのCFD解析結果を
フィードバックすることで、より効果的な形状に修正を行いました。

CFD(Computational Fluid Dynamics)
数値流体力学 (すうち りゅうたい りきがく)解析とは
流体の運動方程式をコンピュータにより数値的に計算し、流れを可視化して
観察・観測・設計する手法。
SuperGTをはじめレーシングカーの開発に使われる他、風洞実験とともに使用されている。
トータルバランスで効果を発揮するエアロパーツを目指して、部分と全体を常に意識しながらのデザイン。ドレスアップのトレンドも取り入れつつ、入念にスタイル検討を行っています。

フロントスポイラー



フロントスポイラーVer.1の表面圧力分布図

青いエリアが負圧となっておりボディ下方へ空気が流れることでダウンフォースが増加します。

  

フロントスポイラーVer.2の表面圧力分布図

Ver.2はコンパクトなスポイラーながら、Ver.1同様に負圧を発生させてダウンフォースを増加させます。


空気の速さをスポイラーの上下で変化させることでダウンフォースを発生させます。

 リップ形状のスポイラーの下部で渦を発生させることで、
車両下面をコントロールしてダウンフォースを発生させます。

ダウンフォースの発生(流速度ベクトル図)


サイドスカート


車両側面の空気の流れを整え、タイヤの上方に流すことで、
直進安定性を向上させます。



<断面図>
図Aでは下から空気が入り込んで上方に浮く方向の力が働いてしまいます。
対策として図Bのようにロッカーのフランジ部になるべく端末を近づけるか、
図Cのようにロッカーモール下部に回り込む形状を作るようにします。
更に図Cの場合には、横方向の風による渦でダウンフォースも発生するので、
TRDではこの形状を採用しています。


リヤトランクスポイラー



ルーフの上を通り、車両の後方に流れていく空気を整え、
上方に跳ね上げることで空気抵抗を増やすことなく、
ダウンフォースを発生させます。

リヤバンパースポイラー


リヤタイヤ後方や車両の下から流れる空気を整流し、直進安定性を向上させます。


トランクスポイラーとバンパースポイラーの同時装着によって得られる相乗効果